2016年のふり返り
2016年は継続してプログラミングと電子工作の支援をしました。技術的にはScratchと共にJavaScriptも本格的に利用しました。
「Why!?プログラミング」のサポート
NHK Eテレの「Why?!プログラミング」で利用されているスクラッチプロジェクトを技術指導しました。プロデューサー自身がスクラッチのプログラミングについてかなりわかっているので、いくつかのプログラミングテクニックの紹介やスクリプトの書き方のアドバイスを行う感じでした。ただ、番組制作中にスクラッチ自体の色判定バグが発生したので(現在は修正済み)、この調査が予定外で少し大変でした。スクラッチの利用は簡単ですが、こういう対処には専門家が必要でしょう。
Scratch無線センサーボード開発
ScratchとArduinoを無線LANでつなぐ無線センサーボードを試作しました。WiFiを介してRemote Sensor Protocolで接続するので、iPadのPyonkeeからも利用可能です。Scratch Day Tokyoなどで展示して好評でしたが、回路設計と組み込みソフトの品質を上げられず、結局まだ配布までには至っていません。これは来年も継続して取り組みたいです。
明星大学デザイン科での講師
明星大学デザイン学部で電子工作の実習の非常勤講師をしました。ScratchとArduinoを使って電子部品の使い方を習得する内容です。これもElectronベースのScrattinoをつくって利用したので、JavaScriptによるものです。
スクラッチーノでScratchとArduinoをつなぐ – MeiDe Digital Craft 2016
自作電子楽器で演奏会をする計画で、最後の演奏会は楽しいものでした。しかし、電子楽器がタクトスイッチを使った簡単な仕組みばかりだったので、なんとか変化に富んだ楽器をつくってもらえるようにするのが課題です。
東京芸大デザイン科での講師
須永教授の担当授業で非常勤講師で授業の一部をお手伝いしました。ここではScratchを表現/分析の道具としてとらえて、会話をScratchで表現することを行いました。プログラミングを初めてするような人も表現するためにScratchは現在最も利用しやすい道具です。学生らは自分たちの会話を記録し、それをScratch上であらためて表現することで会話を外化します。Scratchで外化すると無意識に行われている会話の中にある時間間隔やその場の物や音をあらためて考えることにつながるのです。
草の根プログラミング教育のサポート
OtOMOのプログラミングワークショップと三鷹はちのすけクラブのファシリテーターとして通年参加しました。ともにScratchを利用していて支援はだいぶ慣れているので、安定して参加できています。
京陽小学校パソコンクラブサポート
通年で京陽小学校でパソコンクラブのサポートを行いました。クラブではScratchを使って自分の好きなゲームをつくることに取り組んでいます。その中で出てくる「ジャンプさせたい」などそれぞれやりたいことを聞いて個別に支援する寺子屋方式です。月1回なので十分な時間がとれないのが課題で、いつも終わる時間が来るとみんな「もっとやりたい」という感じになります。ただし、先生が時間外でやって良いと言うと、大半がマインクラフトをやり始めるのですが…
パーソナルファブリケーション
Makers’ Baseで金工のレッスンを受けて、真鍮板を切り抜いて飾りをつくったり真鍮棒を曲げて指輪をつくったりする方法を学びました。いずれオリジナルデザインの装飾品をつくってみたいと思っています。
中延のat.Fabでプログラミングのワークショップを開こうという企画があったのですが、仕事の忙しさを理由に1回もしませんでした。 せっかくの機会を提供していただいたのに申し訳なかった。
IoT機器プロトタイピング
今年前期にIoT機器のプロトタイピングを行いました。Intel EdisonとAzure IoT HubとPowre BIを使ってセンサー値をリアルタイムグラフ化するものでした。EdisonはJavaScriptの開発環境がだいぶ整備されていて、センサー類も比較的簡単に利用できて良かったです。USBカメラも付けたことからLi-Po電池を使ったのですが、電源周りはもう少し安全なものにしたかった。ケースも満足いくものができなかたので、ハードウェア作製が課題です。
Reactive Functional Programming調査
今年後半にFacebookのReact.jsの調査の仕事をした関係で、JavaScriptによるReactive Functional Programming周辺を調べました。これは技術的に興味深く、業界的にも盛り上がっている分野で、いくつもの実装系が提案され、利用や議論が行われています。以前からあるパラダイムですが、Webの隆盛による非同期処理やコンポーネント化の要求に合致して花開いた感じです。今後も継続的に勉強し利用して行きたい技術です。
Scrattino2開発
明星大学の授業に使うために大急ぎでScrattinoをElectronに移植しました。この時はElectron的な作り方はせずにWebアプリの構造をそのまま使い、さらにMac版しかつくっていなかったので、現在Electronアプリとして全面的に作り直しています。MacとWindowsとScratch1.4とScratch2.0オフラインエディタに対応する予定です。
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